2001年に日銀は量的緩和政策の採用を決定したがマネーサプライの増加には至らず、結局解除となった。量的緩和論のどこが誤っていたか。各国の金融政策も踏まえて検討する。
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1990年代以降の日本は長期停滞の中にあった。この間金融政策は常に論議の中心にあった。日本銀行の金融政策に対する批判者は「インフレ、デフレは貨幣的現象である」と主張した。彼らによれば、日本のデフレはマネーサプライ増加率が低迷していることにその原因がある。そして、マネーサプライ増加率の低迷の原因は日銀が十分な金融緩和を行っていないからであるということである。
こうした中で2001年3月、日銀は量的緩和政策を採用することを決定した。量的緩和政策の下でマネタリーベースは急増した。けれども、肝心のマネーサプライの増加につながっていない。「インフレ、デフレは貨幣的現象である」という主張者の立場に立っても、マネーサプライの増加につながっていない量的緩和政策は失敗であるということになるであろう。
それではなぜ量的緩和政策はマネーサプライを増加させなかったのであろうか。この問題に答えることは量的緩和政策に対する評価のためだけでなく、理論的にも重要な意義を持つであろう。本書は貨幣の内生説の立場から、この問題に解答を与えるものである。・・・・・